02月01日: 「感無量」
先日IVYにとってはなつかしい訪問者がありました。2003年7月から3年間に渡って行なわれた「持続可能な農業を通じた女性による農村開発プロジェクト」の農業マネージャーだったYさん(現在はJICAのフィールド調整員)がカンボジアに赴任した海外青年協力隊の村落開発員の若者三名を引率して、離任以来初めてスバイリエンを訪れたのです。町や村のいろいろな光景や人を見てはしきりになつかしがっていました。
前任者からの正式な引継ぎがないまま突然ここにやってきた私は「前にいた人たちはよく3年もこんなところにいたなぁ」と正直言うと内心思っていました。でもYさんのなつかしぶりや思い出話を聞くと「そんなに悪いところでもないかも」と思えてきました。ここで3年近く、大きなプロジェクトに関わってきたYさんがその3年間を振り返る言葉には一言一言に重みがありました。彼女や当時のプロジェクト・マネージャーらがときに迷い、悩みながら三年間様々な努力を積み重ねてきた。だから充実感を持ってその時代をふりかえることができるんだろうな、と思いました。
特に印象に残ったのが、村で組合の代表の女性たちが集まってミーティングをしている様子を視察していたときのYさんの言葉でした。野菜の出荷量や収益、またその中からの組合への積立額などを村ごとに代表の女性が20人ほどの参加者の前で発表し、また技術指導担当者の女性がたい肥づくりのデモストレーションなどをしていました。女性たちの生き生きした様子を見ているだけで、IVYの農村での活動がうまくいっているんだな、よかったな、と思える瞬間です。前プロジェクトでは女性の組織化が主な活動でしたからYさんには見慣れた光景かと思いきや、その様子を見ていた彼女がしばらくして「感無量だな~」とつぶやいたのです。Yさんの時代は組織化は出来たけれども見える形でその成果が出せなかった。けれど今や女性たちは売上げの数字を話している。野菜出荷というビジネスを通して、ようやくその成果が見える形で出てきたのです。今のこの女性たちの活躍は、Yさんたちが三年間苦労して作った土壌の上にようやく生まれでた芽なんだな、そう思うとその言葉を聞いた私の方も「感無量」でした。
Yさんたちの時代に培われた農村の女性のエンパワーメント。後からやってきた私はついついその上にあぐらをかいてしまいがち。でもYさんらの三年間の重さに思いをはせ、改めて引き継ぐ者の責任の重さを感じた一日でした。

きゅう さんのコメント
もう基盤がしっかりしているなら、それをどこまで大きくできるかなのかな。頑張ってね。