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途上国の学習会 第2回目


2009年10月20日(火)18:00~21:00 仙台市市民活動サポートセンター
 

内容:
文献「多様な『開発途上国』 教育へのアクセスから質へ~フィリピン、カンボジア、バングラデシュ~」(佐藤学、北村友人、澤野由紀子編『未来の学力と日本の教育⑩揺れる世界の学力マップ』2009.4 明石書店)  ⇒ 第2回_資料.pdf(11,232KB)
 
1、   文献の「カンボジア」の部分より「特に深刻だと思う問題」をピックアップ
2、   1をもとに問題をグルーピング
3、   「東南・南アジアの教育事情」について(概観に触れる)
4、   フィリピン、バングラデシュのチームに分かれて問題分析
5、   チーム発表、質疑・応答

 
2回目は、前回の参加者に加え当日参加してくれた方もいて、とても嬉しかったです。始まりにちょっとハプニングがあり予定していたプログラム通りにはいきませんでしたが(^_^;)、みなさん時間をおしてまで最後まで参加してくれていました!ありがとうござました!!
 
さて、今回扱った文献には、フィリピン、カンボジア、バングラデシュの教育に関し、政策面から実施面における現状と課題に関し大まかにとらえられています。ちなみに、この文の執筆者である、名古屋大学大学院国際開発研究科の北村友人先生は、某韓国ドラマ冬○ナでヒットしたヨ○様に少し似ていて(笑)、温和でとっても素敵な先生です!
 
 
まず、前回の復習もかね、カンボジアの章から読みとれる「特に深刻だと思う」教育問題に関してピックアップしてもらいました。
主なものとして
・過去の内戦の影響によって、知識人などの人材不足
・就学率は上昇したものの、最終学年(小学6年生)への残存率が低い=中途・退学者が多い
・前期中等教育(日本でいう中学校)への就学率は25%、
 後期中等教育(高等学校)への就学率は10%に満たない状況で、低い
・子どもは家庭の労働力!とみなす親の意識
・経済的に貧しい州ほど不完全学校(例えば小1~3など一部の学年しか収容できない学校)が多いetc…
といったものが問題点としてあげられました。
カンボジアの場合は、やはり歴史的な問題により教育開発がようやくはじまったという現状が大きく影響していますよね。
 
  

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次に、東南・南アジア全体としての教育の現状を見ていきました。
1990年にタイのジョムティエンで合意された「万人のための教育(Education for All :EFA)」という基礎教育普及のための目標を達成するために、各国独自の工夫をしているのですが、その現状はやはりその国の経済力に影響されていることが分かりました。特に、東南アジアではアセアン原加盟国(インドネシア、マレーシア、フィリピン、タイ、シンガポール)と他の国(ベトナム、ラオス、ミャンマー、カンボジア)における初等教育の現状、例えば就学率、最終学年への残存率、成人識字率に格差が見られます。
 

 

 
ここで、基本事項を少し!
就学率…学齢期の児童(生徒)のうちどれくらいの割合がその教育機関での教育を受けているかを表すもの。
厳密には総就学率と純就学率があり、
 
総就学率(%)=在籍児童数/学齢人口  
ex)小学校に在籍している人数/6歳~12歳の人口
純就学率(%)=学齢年齢の在籍児童数/学齢人口   
ex)6歳~12歳で且つ小学校に在籍している人数/6歳~12歳の人口
 
となっています。ちなみに日本ではどちらも100%、途上国だと学齢年齢以外で学校教育を受けている場合もあり、総就学率が100%を超えることがあります。
 
また、話題となったトピックとして、文献でよく出てきた「内部効率性の低さ」ということがありました。
教育の内部効率性…要は、限られた資源・条件(学習者の能力や学校の施設、教材、カリキュラム、教師etc.)において、いかに質の高い教育を生み出せるか、ということだと思います。(私の現段階での理解力の中で噛み砕いて説明するとしたらです・・・だから厳密には説明しきれてないと思います!(~_~;)
つまり、高い内部効率性は留年・中退率などを減らし、学力検査など学習達成度を高めることで達成されるようです。
 
抽象的なことを噛み砕いて言葉にするのってほんと難しいですね。。もっとこのことに関して消化できるよう勉強頑張りまーす(>_<)笑
 
 
 
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最後に、フィリピンとバングラデシュのチームに分かれて、ちょっと問題分析をしてもらったので、それをまとめます。
 
 
チーム・フィリピン 問題分析
 
 
職業の選択が狭まる
 
地域格差?
 
語学力のない子どもは労働従事者の人生をあゆむ。
英語とフィリピン語ができる子できない子の差が生じてくる
 
中心問題
生徒たちの基礎学力の低迷
 
主要教科にかける時間が少ない
英語ができない
フィリピノ語ができない
教科数が多すぎる
生活言語と学習言語が異なる。(※フィリピンの国の政策として英語が使える人材の育成を図るという方針)
 
(※↑出稼ぎ政策)
 
(※↑外貨をゲット)
 
(※↑フィリピン内の経済が潤っていない)

 

 
フィリピンの場合は、多民族国家であるがゆえに「国民統合」と「言語(の統合)」が難しい、という壁があるようです。学校教育が国民のアイデンティティの形成のために利用されることを表している点を示してもらいました。
また、カンボジア、バングラデシュに比べて、フィリピンでは教育へのアクセスの部分は改善されている状況なので、カリキュラムなど教育の質に関しての問題に、国としては関心がいっているのではないかな~ということが分かりました。
 
 
チーム・バングラデシュ

 

15歳以上の成人識字率が他の南アジア諸国よりかなり低い
中途退学してしまう
学校で教わる事柄が日常生活から離れていると感じる(教授内容と日常生活の乖離)
授業の内容理解に困難を感じる
最終学年までにたどりつく(修了する)生徒が少ない
中等教育への進学率が低い
 
中心問題
初等教育の質が低い
 
学校教育の内容が適切でない
教授法が適切でない
カリキュラム開発はドナー等の意向に左右されやすい
バングラデシュのカリキュラム開発は属人的要素や援助機関の意向に左右されやすい
カリキュラムを評価するための調査研究が十分に行われていない
教員の教育制度がちゃんとなされていない?(教員養成が不十分)
外国人専門家の意見を素直に受け入れてしまっている
教員になるための基準が曖昧?(教員資格基準が不明確)
国内にカリキュラムなどを考えられる人材が少ない
エリートは海外に行ってしまう
 
義務教育の年数が短い
学校に行く必要性を感じない
 

 

 
こちらのチームでは、中心問題として、上記の問題と「初等教育の義務制が定められているにもかかわらず、子どもたちを実際に通学させることができない」という問題とで、どちらを選択するか悩んでいるようでした。結果的に、「質の問題を考えることで、子どもたちが通学できに状況に関しても考えられるのではないか」ということで、「初等教育の質が低い」ことを選択していました。
特に、発表で強調されていたように感じたのは、「カリキュラム開発が先進国のドナー、専門家の意見に流されやすい」ということだったかな、と。
 
 
途上国、途上国といっても、二つの国の問題に関してちょっと考えてみただけでも、その国の歴史、経済力、文化的要素などで教育開発にも違いが生じますね~。
 
そして、大きな反省点として、この文献が最新の教育の動向、つまり解決への方向性まで示されていた点です。新たな知識を得るということに関しては良かったのですが、問題を分析するのはとってもしづらかったですね。(笑)本当に申し訳ありませんでした。。せっかく良い文献だったのに、うまく活用できない自分が恥ずかしかったです、ほんと。。
 
何だか締めくくりがよろしくありませんが、こんなところで、第二回の報告を終えたいと思います。参加してくださったみなさん、本当にお疲れ様でした!ありがとうございます。
 

次回第三回は、ラオスの少数民族の教育がテーマです!!どうぞよろしくおねがいしま~す(^◇^)