特定非営利活動法人国際ボランティアセンター山形

駐在員便り

NGOと政府職員の汚職問題

と、いきなり挑発的な題名ですが、IVYも含め、カンボジアで活動している国際NGOにとっては、政府職員の汚職問題は深刻で、しかも日常的です。

例えば、ある日の○×省の一室でのこと。カンボジアで活動しているNGOは、援助活動を行う際、関係省庁と「合意書」を結ぶことが求められています。そのため、その合意書の期限失効を間近に控えたある団体が、更新の手続きのために、○×省を訪れたのですが・・・。

こんなやり取りは、日常茶飯事。なかには、「XXドル払え」という直接的な要求を受けたり、担当者が言うとところの「寄付金」を拒否したところ、「今後のことは知らないぞ」と脅迫めいた電話を受けた、などという噂も耳にします。あまりにも埒が明かない交渉に明け暮れ、活動にまで支障が出ることに嫌気がさして、必要悪だと割り切って「寄付金」を出してしまうNGOが出てくることも、不思議ではありません。

そこで発生するのが、題名にあるジレンマです。上は政治家から下は小学校の教室でまで、この国のありとあらゆる公共機関で蔓延している汚職は、カンボジア(だけでなく、ほとんどの途上国)の開発の最大の阻害要因のひとつです。そうした認識の一方で、あまりに組織的な腐敗の蔓延に多くのNGOは無力感を持たざるを得ません。汚職には手を貸さないぞ、と強く思いつつ、抵抗運動をしていては、本来の支援活動が滞ってしまう現実を前に、目をつぶって担当者の言いなりになってしまう。その結果、カンボジアの開発を支援しながら、その阻害要因を作り出す一端を担ってしまうという自己矛盾を抱えることになります。

こうした腐敗構造は、一朝一夕に解決されるような問題ではありません。関係者みなが協力して足並みをそろえ、大使館や公的援助機関などと連携し、根気強く抵抗運動を続けていくしかないのです。村人一人一人の生活向上をめざした草の根レベルでの活動を行う一方で、貧困を作り出す構造に対する異議申し立てを行っていくことも、NGOの重要な役割のひとつであるという自覚が求められています。

(元プロジェクトマネージャー 福原陵子)

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